2本・4本・6本のマレットの持ち方徹底分析!あなたは知っていましたか?

あなたは知ってる?2~6本のマレットの持ち方徹底分析!

マリンバやビブラフォン(ヴィブラフォン)等の鍵盤打楽器を演奏するときに使うマレット。なかなかうまく演奏できない時に、自分の持ち方は間違っていないか不安になることはありませんか?曲によっては3本以上のマレットを使う曲もありますし、マリンバとグロッケンでは楽器の大きさも異なります。マレットの持ち方は使用する楽器や演奏する曲によって使い分けができると、どの楽器・曲を演奏するときでも応用が利きますので、見直してみてはいかがでしょうか。楽器別の持ち方や4本マレットの他、6本マレットの持ち方についても紹介していきます。

練習方法が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

参考記事:初級の教則本に飽きた人必見!鍵盤打楽器(マリンバ・ヴィブラフォン)のアレンジ基礎練習

マレットの基本的な持ち方

マレットの基本的な持ち方

鍵盤楽器だけでなく打楽器全般同様のことが言えますが、最初にこれだけは覚えておいてください。「様々な考え方があります。」一般的には手の甲が上向きになるように持ちます。これは、マレットを振った時にまっすぐ鍵盤をたたくためです。では細かいところにも注目してみましょう。

グリップの形

グリップの形は演奏する楽器によって変わってきますが、一般的には手の甲がひし形になるようにします。そして、親指と人差し指でつまむようにマレットを持ち、中指~小指の3本で後ろ側を握ります。

《上から見た手の形》

グリップの形《上から》

《下から見た手の形》

グリップの形《下から》

マレットの構え方

マレットの構え方

一般的な構え方は、ㇵの字に腕を開いて脇を適度に開く(リラックスできるくらいが望ましい)ことを意識しましょう。教則本通りにしようとして、それがかえって肩に力が入ってしまったり、手の甲が上を向かない場合は教則本は無視しましょう。グリップもそうですが、正しい持ち方は人によって違います。なぜ違うのかというと、人それぞれ体型が違います。誰もが同じ姿勢が楽なわけではないのです。なので、どういう理由で「こうすべき」ということを理解し、その上で自身が演奏しやすい状態が正しい持ち方となります。

楽器別の持ち方

マレットの持ち方は楽器によって少し異なります。

シロフォン・グロッケン(Xylophone・Glockenspiel)

シロフォンやグロッケン等の小さな鍵盤打楽器の場合は細かい動きが多くなりますので、どちらかというと親指と人差し指でしっかり握り、コンパクトに動かせるようにしましょう。マレットが堅く軽いので音量は出ます。そのため、コンパクトに安定した動きが必要になります。

マリンバ・ビブラフォン(Marimba・Vibraphone)

マリンバやビブラフォン等の大型鍵盤打楽器の場合はしっかりと打ち込む必要があるので、できるだけ中指~小指の後ろ側を軸に持ちます。大型鍵盤打楽器はパイプが深いので、下まで響くよう打ち込まないといい音がしません。(もちろん場合によります。)マレットの後ろ側を軸にすることで、マレットの振り幅が大きくなります。こうすることでしっかりと楽器を鳴らすことができるようになります。

4本マレットの持ち方

さあ、ここからは上級者への第一歩です。曲によっては片手に2本持たないと演奏できない曲が出てきます。4本マレットの持ち方は大きく3種類ほどあります。

トラディショナル・グリップ

トラディショナル・グリップトラディショナル・グリップ

コンサートマリンバで良く演奏される、日本ではメジャーな持ち方です。画像のように、交差するマレットの内側が上になるような持ち方です。こうすることで4本持った時の内側のマレットが安定するため、内側2本をメインにスケールや早いパッセージを演奏することに長けています。弱点としては外側のマレットがやや不安定のため、内側に比べて外側で音を鳴らすことが難しくなります。

バートン・グリップ

バートン・グリップバートン・グリップ

バートングリップはVibraphone奏者の「ゲイリー・バートン」が考案したグリップで、前述のトラディッショナル・グリップと真逆の持ち方です。交差する内側のマレットが下になる持ち方で、右手は外側・左手は内側をメインに演奏する形に最適な持ち方となっています。ヴァイブ奏者(ビブラフォン奏者)が良く使う持ち方で、マリンバと違い黒鍵に段差のないビブラフォンは、右手を外側のマレットで演奏することでマレットが交差しなくなるという利点があります。弱点は片手でトレモロをすることが難しいことです。1本1本は強く打てますが、2本同時に動かす場合は慣れが必要です。

吹奏楽やマルチパーカッションでの演奏をする方には、この持ち方がおすすめです。この持ち方の利点は他にもあります。それは、マレットの持ち替えが簡単に可能なことです。内側のマレットをスタンドにサッと置いて別のマレットに持ち替える、という技を一瞬で行えるので、この持ち方で慣れておけば「マルチパーカッション」や「人数が少なく掛け持ちしなくてはいけない」状態でもなんてことありません。

スティーブンス・グリップ(インディペンデント・グリップ)

スティーブンス・グリップスティーブンス・グリップ

そして最後のこのグリップ。マーチングバンドでは一般的な持ち方です。画像の通り、先ほどの持ち方と違ってマレットが交差しないことが特徴です。これにより片手で自由に2本のマレットを動かすことができるため、上述の2つの持ち方では難しかった片手のトレモロ等が可能となります。また、マレットを持つ軸が後ろ側になるので、特にマリンバの音色が柔らかく混ざりやすい音となります。弱点は、マレットを持つ支点が弱く不安定のため、慣れるまでは音量が出ません。他の2つの持ち方がしっかり打つことができることに対し、スティーブンス・グリップは手の負担もかかる持ち方ですので、無理をすると腱鞘炎になる可能性もあります。高校生以上の方から始められることをおすすめします。

このように持ち方によって特徴がありますので、曲や楽器によって使い分けることができたら表現の幅が広がります。

4本マレットを自由に動かす方法

マレットの持ち方によって、得意な動きと苦手な動きがわかったと思います。ではそのマレットを自由に動かすにはどのようにすればよいかを考えてみましょう。まずは独立して動かせるようにすることを意識してみましょう。いずれの持ち方でも結構ですので、例えば右手の外側のマレットだけを動かしてみましょう。右手の内側のマレットまで動いてしまう方は、内側のマレットが動かないように固定してみるとイメージしやすいです。この動きを意識して、教則本にあるような簡単なスケール練習等を4本マレットを持って練習すると、マレットを自在に操れるようになります。

その他、好きな曲を弾くことをチャレンジすると、自然と4本マレットの練習になったりします。参考動画はピアノ譜を元にVibraphoneソロにアレンジしたものです。

参考動画:クロノトリガーより「風の憧憬~Wind Scene~」

こんな感じで弾きたい曲をマレットで演奏が可能なように工夫したり、音が足りない部分を分散和音を使ったりすることで4本マレットの練習や効果的な使い方を練習することが可能です。

その他、マリンバやヴィブラフォン等の鍵盤打楽器の練習方法について記事にしたものがありますので、こちらの記事も参考にしてみてください。

参考記事:初級の教則本に飽きた人必見!鍵盤打楽器(マリンバ・ヴィブラフォン)のアレンジ基礎練習

6本マレットの持ち方

こんなことできるの??という方も多いと思いますが、世界は広いですね。いるのです。こちらの動画が参考になります。打楽器奏者の嶋崎さんが持ち方や演奏の仕方を動画で説明しています。

6本のマレットはスケールや細かいパッセージには向きませんが、どうしても和音を増やしたい場合に有効です。また、世界には8本マレットを持って演奏する人もいるそうです。(8本は持ち方わかりませんでした・・・。)

演奏の幅を広げたい上級者はぜひチャレンジしてみてください。

まとめ

教則本に書かれている持ち方や、一般的な注意点はもちろん大事です。しかし、人によって身長や手や体の大きさや形はそれぞれ異なります。大事なことは、何のための注意点なのかを理解し、自分の演奏しやすい持ち方を見つけることです。ただし、クセやなんとなくでやってしまうとなかなか直すことが難しいので、教則本に書かれている意味を考えたり、スクールやレッスンを習うことをおすすめします。マレットの正しい持ち方を知って、楽しく鍵盤打楽器を楽しみましょう!

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