【生産者向け】ポケットマルシェ(ポケマル)の消費者が思う生産者について

ポケットマルシェ(ポケマル)生産者

先日ポケットマルシェ(以下、ポケマル)についての評判記事を書きました。その時はどちらかというと利用者側の目線で感想や事前の調査を行ったことを書きましたが、今回は自分が生産者になったらどうか、という視点で調べてみて思った事を書いてみました。私は生産しているわけではないので実際とは違うかもしれませんが、「もし私が農業を始めるなら」という視点で見て感じたこと等を客観的にアウトプットしてみよう、という記事です。

私はポケマルの1ユーザーです!(それもライトなユーザー)ただ、利用してすごくサービスが好きになったのでこうして記事にしております。

ポケマルを利用している生産者はどのくらいいるのか?

2020年3月22日の時点で生産者を検索したところ「2036人」の生産者がいるようでした。ちょうどその後の3月31日にPRTimesで2000人突破のプレスリリースが出ていました。こちらを見ると、各地域ごとに生産者の登録人数がわかります。

追記

2020年12月26日時点では、生産者さんの登録が3875人となっています!9ヶ月で1,800人以上の生産者さんが登録されています!

全国の地域別生産者人数(2020年12月26日時点)

  • 北海道:188名
  • 東北:483名
  • 関東:664名
  • 東海:385名
  • 甲信越:393名
  • 北陸:123名
  • 関西:486名
  • 四国:195名
  • 中国:245名
  • 九州:713名

そして総務省の平成27年度国勢調査データのよると、農業(林業含む)・漁業の従事者は、平成27年の時点で60,987,000人という結果が出ていますので、まだまだ登録に伸びしろがありそうです。

国勢調査のデータはこちら

ポケマル生産者は増えているのか?

実際にポケマル内の生産者は増えています。実は個人的に2019年の12月30日の時点でも人数を控えておりました。その時は「1861人」でしたので、3ヶ月で200人ほど増えています。その後、約9ヶ月で1,800人もの登録が増えています。

何がきっかけで生産者はポケマルを利用しているのか?

最近では新型コロナウイルスの影響でイベントが中止になったり学校が閉鎖になったりで、給食や食品のキャンセルで生産者の販路が無くなって困っていました。それをポケマルが救っていた情報がたくさんあふれていましたので、この3ヶ月は今までよりも急激な増加だったのではないでしょうか?

Twitter上でも、食材が余ってしまって困っているという投稿をする農家の方々に対して、ポケマルに公開をして問題が解消されているものを多数見受けられました。「#新型コロナで困っています」というハッシュタグとともに、こうした販路が無くなって困った生産者の方々の救世主的な存在としてポケマルの露出も増え、生産者の急増のきっかけとなったのです。

詳細はポケマルの公式サイトにも記載がありました

実際にGoogleキーワードプランナーで調べた「ポケマル」「ポケットマルシェ」の検索ボリュームを見ると2020年3月に急激に増えていることがわかります。※2019年4月~2020年3月までの結果です

ポケマル1年間のキーワードボリューム

過去24カ月で見ると、ここ2年間の認知の動きがわかりやすいです。

24ヶ月のポケットマルシェ検索ボリューム24ヶ月のポケマル検索ボリューム

2019年2月の突出しているのは、カンブリア宮殿でテレビ露出があったタイミングで劇的に検索が行われました。ここで認知した方も多かったのではないでしょうか?それ以降大きな伸びはありませんが、2020年の3月にまた突如急激な伸びが確認できます。恐らくテレビでの露出の爆発的な伸びとは違い、上述している「#新型コロナで困っています」等を生産者・消費者が目にすることが多くなり、再度注目が集まっていると考えられます。恐らく一過性ではなく、4月以降も継続されていくものと思われます。

ただ、それだけではありません。もともと導入した方の多くは、生産者同士のつながりから導入されています。もともとはポケマルの代表の高橋さんが生産者の元を訪れ、直接生産者の方とコミュニケーションをとって始まっているようです。ポケマル内のインタビューにも高橋さんとお会いして事がきっかけという記事があります。そこにはその根拠がしっかりと書かれています。

  • 「よくある生産者直送のネット販売の営業」と思われていたが、「消費者とのつながりを楽しんでほしい!」という思いを伝えに来たこと
  • 「地元の生産者同士でのつながりができたこと」

こうしたポケマル・代表の高橋さんの想いが伝わって生産者の登録が進み、生産者同士のつながりの中でじわじわと登録者が増加した背景がわかりました。

インタビュー記事はコチラから

※以下は余談ですが、私の以前の記事も同様に3月から急激な成長を遂げています(笑)

ポケマルの記事のアクセス状況

正直更新頻度も低く、趣味程度の弱小ブログですが、ご覧の通り記事をオープンした2019年11月から徐々にPVが伸び、4月度は月に4000PV弱もの記事を見ていただいています。Twitterでもたくさんの人に見ていただき、私の記事を通してポケマルを利用していただく人がいたらとても嬉しいです!

※とても恥ずかしい数値です(よく見るとブログのアクセスの半分は「ポケマルの記事」であることがわかる恥ずかしいデータです・・・)

生産者とポケマルスタッフの関係性

生産者とポケマルスタッフの関係性が一番わかりやすいのがコチラ!

①「五味農園のあやさん

このバトンのきっかけを作られた農家さんです!面白い企画をたくさん考えて実行されています!

②「マーフィーズファームの篠塚さん

③「うしおだ農園のうっちゃんさん

⑤「江口農園のパクチー王子 江口さん

⑥「小川農園の小川さん

まだまだバトンは続いています!見ていただくとわかるのですが、このつながりのある生産者さんたちはみんな近隣ではないのです。

このように生産者が自発的にポケマルスタッフを応援するという構図は「いかに生産者にとってポケマルが革新的な変化をもたらしたか」という根拠です。

生産者にとってポケマルは一次産業の在り方を大きく変えています。消費者とつながりを持てることが生産者の価値観を変え、やりがいや仕事の誇り・自身の強み等を見いだすことができていると考えられます。

生産者にとってポケマルのメリット・デメリット

生産者が新たにポケマルを導入する際のメリットとデメリットについても調べてみました。

ポケマルを利用するメリット

ポケマルを利用するメリットを「私が生産者だったら」という目線で考えました!

メリット

  • 購入者から「ごちそうさま」をいただける
  • 生産者同士のつながり
  • ファンを作れば販路が無限
  • 手間がかからない
  • 作業はスマホで完結
  • 送料が安い

一番うれしいのは「購入者と繋がれる」ことです。仲介業者が入ることで販路が確約されますが、購入者から商品についてのフィードバックをもらうことはなかなかありません。しかし、直接購入者と繋がることのできるポケマルでは、消費者からの要望や感想をもらうことができます。これによって商品の紹介の仕方や消費者でないとわからない商品の強みが明確になります。これは生産者にとって最大の価値だと考えられます。

また、生産者同士のつながりが持てることも大きなメリットです。ライバルであり、仲間である生産者同士では

  • アドバイスをしたりし合ったり
  • 成功事例の共有をしたり
  • 紹介し合ったり

といった動きをすればするほど切磋琢磨できる関係性になります。言ってしまえば「生産者も消費者」ですよね(笑)上述のポケマルスタッフへのバトンでもわかるように、同じ苦労を知っている生産者同士は強い味方です。ポケマルを通じて生産者同士でのコミュニケーションをとることをオススメします!

手間がかからない等のメリットは、私から伝えるよりもポケマルの生産者ページに強みがわかりやすく記載されていますので、そちらを参照ください!

ポケマルを利用するデメリット

反対に、デメリットについても記載します。これから登録を考える生産者はこの辺りを考えていただくと良いでしょう。

デメリット

  • 多少のWeb知識は必要
  • スマートフォンやPCを使い慣れる必要がある
  • 通常の業務+αの手間はかかる
  • 自身の対応が評価につながる
  • コミュニケーションをとりたくない人には向かない

日本は特に多いですが、オンライン決済に抵抗のある人は少なからずいます。通販やPC・スマートフォンの操作が全くできない人は抵抗感が大きいと思われます。また、これから始めるとなった場合、いつもの業務にプラスでポケマルの業務が発生するので、その分の工数はあらかじめ理解しておく必要があります。

こういった事に少しでも当てはまる人であれば

  • 事前にスマートフォンやパソコンに慣れる
  • アマゾンや楽天で何か商品を購入する
  • 仕事しながらSNS運用をしてみる

といった行動を一緒にしてみてください。これができればそこまで負担なく始められるはずです。

そして一番考えなくてはいけないのが、「自身の対応が評価につながる」点です。普段の業務が忙しく、ポケマルでの購入者への対応が疎かになると、購入者からは不信感につながります。販路を増やすために始めたのに、顧客離れを起こすきっかりになります。逆をいうと、ここさえしっかりしていれば、自然と顧客は増えていきます!それがポケマルを始める生産者が増えている魅力でもあります!

つまり、ポケマルを利用すれば売上が上がるのではなく、結局は自分で発信をしていくことが必要になります!

ポケマルを利用して見えた客観的な感想

実際に消費者としてポケマルを使うことで、生産者について考える機会がありました。消費者目線で見た生産者についての良い点・工夫してほしい点を紹介します。

消費者として生産者について考えた良い点

良い点

  • 生産者の手間が見えた
  • 細かな要望に応えてくれる
  • 生産者を知るきっかけができた
  • コミュニケーションがとれる

梱包されたものを見て、生産者が届けるまでの工程を考えることができました。例えば

  • 土や汚れを落としている
  • 保存方法やおいしい食べ方教える
  • 丁寧な梱包している
  • 万が一の対応をしなくてはいけない(商品の痛み等)

といったことに1つ1つ対応していると思うと、非常に骨の折れることだと感じています。

個人的にはコミュニケーションが取れることが非常にうれしいです!私が「ごちそうさま投稿」をしたものに返信をもらったりすると嬉しくなるのと同じく、生産者の方々もきっと嬉しいんじゃないかな?と勝手ながら思っています。そして更に個人的にTwitterで生産者の方と繋がれたことも大きいです。直接要望や消費者目線の意見を伝えたりできています。どこの企業でも利用者の声は貴重な財産ですが、それを直接もらえるって普通にすごいことですよね!生産者の方はSNS活用をしていきましょう!初心者向けのTwitter活用事例も紹介します。

Twitter活用事例

  1.  Twitter内で「ポケマル」で検索
  2.  ポケマルを使っている生産者をフォロー
  3.  フォローした生産者の投稿を参考にする
  4.  ①と同様に検索して消費者の投稿に「いいね」をする

消費者として生産者について考えた工夫してほしい点

工夫してほしい点

  • 強みは明確にしてほしい
  • 選ぶ基準を消費者にわかりやすく
  • 少量の商品を作ってほしい
  • 虫等が共生していることを伝えたほうがいい

個人的な意見もありますが、ポケマル内では強みを明確に出した方がいいです。その理由は、消費者は同じ商品を検索して見つけるからです。これはスーパーで買い物する人とポケマル内で買い物をする人を比較して考えるとわかりやすいです。ではトマトを買いたいという事例で考えてみます。

<スーパーで買い物する人の行動パターン例>

  • なんとなく野菜コーナーに行ってトマトやお買い得なものを探す
  • 実際に手に取ってみたり、生産地や価格・種類を見て購入を検討
  • 基本的には「できるだけ安くいいもの」を購入
  • 商品の情報は「産地・金額・見た目」

<ポケマルで買い物する人の行動パターン例>

  • 「トマト」で検索をかける
  • 表示された中で自分の食べたいトマトを見つける《超重要》
  • 送料がかかるなら「できるだけいいもの」を買いたい
  • ページ内に記載された情報を元に何を買うかを検討

この比較でわかる通り、ポケマルは見た目で判断できません。いかに「これを気になる」と思わせるかが重要です。したがって、「万人受け」を狙うよりは、少しとがったものの方が購入意欲がわきます。また、同じ商品が複数あると正直どれを買えばいいか消費者はわかりません。一度購入していただく事ができればメッセージのやり取りが可能です。自身の強みや特徴の出し方を、卸すときとは変えて出していただくと選びやすいです!

それが難しい場合は、消費者の「ごちそうさま投稿」の内容を強みにするのも手です。消費者の声は消費者に届きやすいので、購入した方の声を広告として使ってみてください。

実際にわたしが購入したまつさか農園さんの八朔を例にします。

まつさか農園の八朔(ポケマル)

購入した際に惹かれたポイントは「甘ぁい八朔」という記載でした。八朔は柑橘類の中でも酸味が強く、苦みのある果物という認識が覆されたような内容だったので、とても食べてみたくなりました。そしてその甘い根拠として「一番幼いお客様は1歳の赤ちゃん」と書かれていたのです。

独自の技術で「苦い」「酸っぱい」という特徴を残しつつも、甘さがあって赤ちゃんでも楽しめる

という記載についてお伺いしたところ、「お客様からの話」がきっかけだったそうです!消費者の声の中には、生産者が気づかない視点での強みがあることの証明です!

ちなみに八朔は本当に甘さを感じました!皮が柔らかくて食べやすく、単純に「甘い」というより「味が濃い」印象がありました!この濃い味が甘さを引き出して、八朔独特の苦みや酸味を楽しみながら意外性の「甘み」を感じる非常においしい八朔でした!是非お試しください!

ちなみに、虫との共生については個人的に結構重要だと思っています。※特に野菜農家さん

スーパーに慣れている人は虫がついていないことが当たり前の感覚です。届いた野菜に虫がいるだけで次から頼んでもらえない、何てこともあるんじゃないかな?と思います。ひとことでいいので「こう対応しましょう」みたいなことが記載されているだけでも違うと思います!!

ポケットマルシェ(ポケマル)を生産者目線で!まとめ

生産者ではない私が「生産者だったら知っておきたい」と思うことを紹介しました。簡単に言ったら「ポケマル最高だから生産者も消費者もみんな使おう!」という事です(笑)。私は生産者ではないので「実際にはもっとこうだ」「わかっていない」と思う部分があったかもしれません。その点については申し訳ございません・・・。今回の記事は「ポケマル通じて生産者と消費者がどれだけ相互で関係性を築いているのか」という点を「生産者視点」「消費者視点」の2軸で伝えたい、という思いから執筆しました。

拙い文章ですが、この記事を通じてよりポケマルが活発になったら良いな!と思っています。

2 Comments

川島寛(かねとよ川島農園)

こんにちは
ポケマル 3年目の生産者です
読ませていただいて参考になりました。
私の場合は
ワクワクした一年目
ごにょ活に一生懸命な2年目
売れてるけどモヤモヤしてる3年目
お客様も生産者も増えて自分の価値をどう考えようかと迷っている昨今です。
取り留めないコメントでしたが、急増した環境に困惑している生産者です。

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まれっとのーと

ご連絡遅くなりました。
コメントありがとうございます!

3年目というのは何とも悩む周期ですよね。何事も・・・
今後の世の中は個人の時代になってきていますので、いい意味でも悪い意味でも自分の価値を発信していく必要がありますね。
私の知り合いも兼業農家なので売れすぎも困ると言っていました!

中々買えない!という希少性を出していくのもいいかもしれませんね!

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