ポケマルや食べチョク等の産直ECを比較!結局どこに出品したらいいの?

ポケマルや食べチョク等の産直ECを比較!結局どこに出品したらいいの?

以前Twitterで生産者さんに「産直ECの利用状況」に関するアンケートを取りました。その結果を踏まえ「一次産業におけるWebマーケティング戦略」を考えてみました。今回はアンケート結果を元に「生産者さんが自身にあった方法を見つけていただけるきっかけにつながる記事を書きたい」と思い執筆しました。

(注意)※私は生産者ではないので、生産過程の苦労を知りません。勝手なこと言って申し訳ございません。

今回の記事がおすすめの人

  • 産直ECに登録したけど、うまく使えていない方
  • SEOやりませんか?と言われて困惑している方
  • 自分でECサイトを作って機能していない方

Webマーケティングの視点で考えてみた

まず初めに、少しばかりWebマーケティングに携わっていた私が「生産者になったらどうやって売っていこうか」を考えてみました。

ポケマルや食べチョク等の産直ECサイト

ポケマルトップ

ポケマルや食べチョク等の産直ECはマストで行います。その1番の理由は「ファンを作るため」です。売り上げを最大化させるには、リピーターを増やさなくてはなりません。リピーターを増やすには大きく2つの要素があります。

  1. 知ってもらう
  2. 「またお願いしたい」と思う期待以上の価値や感動

ポケマルや食べチョク等の産直ECサイトは、上記2点をどちらも解決する可能性を秘めています。

まずは知っていただくという「認知」のきっかけを作れることが魅力です。自身が購入者の視点で使うとわかると思いますが、ポケマルのアプリのトップ画面に表示された商品のほとんどが知らない生産者さんのはずです。

消費者は初めて購入する時のほとんどは「誰の商品」ではなく「自分の満足するであろう商品」が欲しい!と思って購入します。つまり、新規のお客様を獲得できる可能性が非常に高いのです。そしてその新規のお客様に期待以上の感動を与えることでリピーターとなります。
この流れを図にすると、下記の図のようなイメージになります。

食べチョク ポケマル 顧客

今はSNSで簡単に情報のシェアができる時代です。感動は瞬く間にお客様のコミュニティで拡散されて(クチコミ)、最初から「誰の商品」を買いたい!という流れを作ることができるのです。

以前のアンケートの中には「ポケマルや食べチョクを登録はしたけどうまく使えていない」という回答が一定数ありました。その中には、そもそも普段の業務以外の工数が発生するため(作る事に専念したい)という理由もあると思います。そのような方は「ポケマルや食べチョクを使う目的を決める」ことを考えてみてください。※既にリピーターがいたり、販路に困っていなければ使う必要は無いです。

私は「新規顧客の創造」のために使います。単純に楽しむためでもありますし、生活や家族のためにもお客様とのコミュニケーションとして活用できるからです。

Twitter等のSNSを利用しよう

「ポケマルや食べチョクで消費者とコミュニケーションがとれるならSNSなんて必要ない」という考えもありますが、私はSNSを利用することをオススメします。その理由は「お客様との距離を縮めるため」です。

例えば、知らない人から超高級・希少商品を初めて購入する場合、いつも以上に「購入者」「販売者」という区別を感じませんか?商品自体も悩みますし、相手の素性もわからないと余計に壁を感じてしまいます。しかし、SNS等のコミュニケーションツールを使うことで、会ったことは無くてもコミュニケーションをとることで自然と距離が縮まり、「いつかこの人の商品を買ってみたい」という気持ちになります。これは商品ではなく「自身のファンになった」と言えます。

こうしてつながった人は応援してくれる強力な味方となり、天災や予期せぬ災難が起きたとしても助けてくれる存在になります。第1産業は特に気候や災害等の影響を受けやすいですし、そういった時に助けてくれるファンは心強いはずです。

ただし、SNSは使い方次第で簡単に自分から離れてしまう側面も持っています。投稿した内容が「受け取った側」と「発信した側」で解釈の違いが生まれたり、安易に投稿した内容が不適切だったり、気を付けることはたくさんあります。このような「危険やリスクがあるから使わない」という人もいると思いますが、上手に使うことが大事です。投稿する前に内容を見返して、誰かを不幸にする内容でないか受け取る人の気持ちを考えて、確認してから投稿することを意識しましょう。

自社ECサイトの運営について

次に自身のHPや作成したECサイトの運営についてです。自社ECサイト等の運用は二の次と考えています。最近はBASE等で簡単に無料で作れる便利な時代になりました。しかし問題は集客方法です。よくTwitter上でも「SEO業者から営業電話が来るけど、実際どうなの?」というような内容を見かけますが、SEO対策をしてもほとんどの場合は成果が見込めません。もちろん「絶対」というわけではありませんが、私がおすすめしない理由は下記の3点です。

  1. 競合のWebサイトが強い
  2. 対策キーワード次第
  3. 電話営業をしてくるSEO業者は信用してはいけない

理由は①を考えれば簡単にわかります。SEO対策で競合にあたるのは、例えば

  • 農協JA
  • 楽天
  • ポケマル
  • 食べチョク

といった巨大なメディアが敵になるわけです。これだけでもう厳しいことはわかると思います。「この戦場に行きませんか?」と勧誘を受けているようなものです。もちろん対策キーワードによっては穴場です。もし自社で行うのであれば、ご自身の「農園名」や「会社名」、「ブランド名」等で上位化するように注力すべきです。正直ここはSEO対策というよりはブランディングです。いわゆる「指名ワード」というものに当たります。ご自身に関するキーワードで狙っていくのは、そもそも知っていただく必要があります。そういった意味でも「産直EC」や「Twitter」を運用する方が優先度が高いわけです。

最後に電話営業をするSEO業者についてですが、「とても熱心な会社」です。しかし、よく考えてみてください。そもそもWeb集客の術を持っているのであれば電話営業なんてする必要ないのです。そしてSEOに精通しているのでしたら、生産者とSEOの相性が悪いこともわかります。以上から、電話営業をするSEO業者は信用してはいけないのです。

産直ECやECサイト運営の特徴

次にそれぞれの特徴を考えてみます。今回は「ポケマル」「食べチョク」「モール系サイト」「自社ECサイト」この4つの特徴を挙げます。(他にもたくさんありますが・・・)

ポケマルの魅力

私が思うポケマルの最大の魅力は、生産者さんと消費者が直接1対1のコミュニケーションをとれることです。オープンな環境のコミュニティの他に、クローズドな環境で直接連絡を取れるのがポケマルの魅力です。代表の高橋さんも仰っていましたが、個人的にはポケマルは産直ECではなく、生産者と消費者のコミュニケーションツール(新しいSNS)と思っています。「消費者」「生産者」という立場はあれど、ポケマルの中では「人」と「人」のコミュニケーションを感じるところが最大の魅力と言えます。ポケマルは「個」と「個」をつなぐことができるのです。

食べチョクの魅力

ポケマルと食べチョクは同じサービスのようで大きく異なります。食べチョクはポケマルと違い、クローズドなコミュニケーションは基本的には取れません。オープンな環境でメッセージが可能となっています。個人的には、どちらかというと生産者寄りなサービスに感じます。ポケマルが直接消費者とコミュニケーションとれるのに対し、食べチョクは生産者と消費者の間に入って生産者のサポートに入ります。

生産者にとっては販路を探すサポートとなり、消費者にとってはオープンな情報が開示され、フラットな意見やメッセージを見て選択することができる、という仕組みです。食べチョク内で生産者の自由競争の場を与え、消費者は消費者の声が見える環境で自由に選択の出来る場として機能することが魅力と言えます。

楽天やAmazon等のモール出品の魅力

楽天やAmazon等のモール出品は、集客に困らない点が魅力です。これはお店に例えるとわかりやすいです。

例えば、自社サイトは路面店として考えます。するとモール系メディアは大型のショッピングセンターにあたります。ショッピングセンターに行けば、生活のあらゆるものがありますから、多くの人はショッピングセンターに足を運びます。これと同様に、楽天やAmazonにはたくさんの人があらゆるものに利用します。そこに出品していることで、自分のお店を知らない人が買いに訪れることができるのです。

しかし、自社サイトはどうでしょうか?知っている人か、たまたま通りかからないとお店に入っていただく事は難しいです。認知のない状態で自社サイトを設けても人はやってきません。多くの人に知ってもらえるようになるまでは、モール出品も選択肢の1つに入れるのは正しい選択です。

BASE等の自社ECサイトを運営するメリットとデメリット

自社ECサイトは利益率が高いことが最大のメリットです。知ってもらえば自社サイトだけで生計を立てることも可能になるかもしれませんね。しかし、自社サイト運営は難易度が高いです。

《難易度が高い理由》

  1.  閲覧を増やす導線確保
  2.  購入しやすい、使いやすい設計
  3.  最低限のWebの知識
  4.  競合サイトとの競争

自社ECを運用できるようになるためには、最低でも上記を考えていく必要があるからです。その分利益率は高いはずですし、Webの知識を身に着ければ、今後どのような商品を増やしても販売をしていくことが可能です。個人的にはWeb知識をもった上で就農する人でないと厳しいと思っています。

ポケマルと食べチョクを比較

さて、最後に産直ECの使い分けについてです。ポケマルと食べチョク以外にもたくさんありますが、私が使って知っているこの2つについて比較してみようと思います。

ポケマルと食べチョクの違い

最後にポケマルと食べチョクの違いについて、比較してみました。両方利用してみて気づいたことをご紹介します。

ポケマル 食べチョク
生産者情報 登録している生産者 多い(審査あり)

少ない

(オーガニック生産者のみ)

コミュニケーション 1対1で可能 オープンな環境で

メッセージが可能

取扱商品 ジャンルの違いはなし

(審査に通れば制限なし)

ジャンルの違いはなし

(オーガニック限定)

生産者への手数料 15% 20%
消費者情報 共同購入システム ×
クーポン機能 初回&不定期 発送連絡後に毎回購入後
商品の見つけやすさ ×
送料 やや安い やや高い
マイページの見やすさ ×

両者を比較すると、個人的には下記のようなイメージとなります。

  • ポケマルは産直SNS
  • 食べチョクは王道産直EC

生産者視点で考えると、ポケマルと相性がいいのは下記のような人です。

ポケマル

  • 消費者とのコミュニケーションを図っていきたい
  • オーガニック商品ではないが、流通のしやすさ以外で勝負したい
  • SNSの運用が好き/得意

反対に食べチョクと相性がいいのは下記になります。

食べチョク

  • オーガニック商品を生産している人
  • 新たな販路を見つけたい
  • 個別の連絡は控えて生産に集中したい

それぞれの違いについては下記の関連記事を参照ください。

ポケマル・食べチョク等のEC出品比較まとめ

いかがでしたでしょうか。個人的な使い分けや比較についてはこのようなイメージを持っております。「産直ECに登録したはいいものの、中々利用できていない」という人は是非使い分けを意識してみてください。産直ECを検討される方は、まずは他の人がどのように出品していて、ユーザーがどのような流れで購入できるのかを知る事も大切です。ご自身で購入までのステップを経験し、他の方がどのように活用し、メッセージや配送がどのようにされるのかを知ると良いです。下記関連記事は消費者目線での記事になります。利用したことが無い方は是非参考にしてみてください。※クーポン情報もあります!

そしてもう1点、こういった収穫までの工程以外の販売の過程を支援するような人の需要が今後更に増えてきそうですね。広報担当やポケマルや食べチョクの運用担当みたいな人を雇わないとやっていけない、という生産者も出てくると思います。個人的にはそういう部分で協力できることを見つけようと思います。

※冒頭でもお伝えしましたが、私は全くの素人で生産者の苦労や大変さを身をもって知っているわけではありません。何か間違った事等がございましたら、お気軽にコメント等でご連絡ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です